山曜日は山へ行こう!
名峰のミヤマキリシマそれぞれに花支度して待つ縦走路
第2回 連山縦走(往復)
期 日 | 平成19年5月14日(月) 晴れ |
標 高 | 中岳−1,332m・新燃岳−14,21m・獅子戸岳−1,429m・韓国岳−1,700m |
登山口 | 高千穂河原 |
時 間 | 高千穂河原−60分−中岳−40分−新燃岳−60分−獅子戸岳−120分−韓国岳 |
下山 韓国岳−100分−獅子戸岳−60分−新燃岳−35分−中岳−45分−高千穂河原 | |
温 泉 | 吉田温泉(隼人温泉郷) |
屋久島の<宮之浦岳シャクナゲ登山>に参加することにしている。 10時間位の歩行時間という。
「大丈夫と思うが・・・・・」
その時に備えて高千穂河原を登山口にして,韓国岳に登りピストンで下山する事にした。
霧島は今,名花の季節である。 さっそく中岳ではふくらむ蕾の株の中で,一部であるが,八分咲き・満開のミヤマキリシマの花が迎えてくれる。 ひんやりとした早朝の登山道で,新緑の茂みの中に<鹿!>がいた。 朝食中だったのか,4頭が突然の無頼者?の我々に目を向けている。 「おはよう! ごめんごめん」 もっと見ていたかったのだが・・・・・。 |
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中岳の山頂あたりのミヤマキリシマはまだまだ固い蕾である。 火口淵を歩き,板の階段をトントンと下りはじめると,木の階段が新燃岳山頂まで一本の線となって続いている。 雄大な大地の真ん中を人は一つの点となって動くのである。 新燃岳のエメラルドグリーンの火口湖は相変わらず美しい。 火口壁に,パラソルの形で枝を伸ばしているミヤマキリシマもまだ固い蕾。 今回,中岳と新燃岳の山頂標識が新しくなっていて嬉しい。 |
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火口淵を獅子戸岳正面まで歩き,新燃岳を下山する。 この辺りはミツバツツジの群生地。 やや盛りは過ぎているが足元のゴロゴロ石に注意しながらも,登山道両脇や奥の方まで彩る花を楽しむ。 新湯・大幡山分岐まで下り,獅子戸岳への登りとなる。 ゴロゴロ岩を登りながら,新燃岳を振り向くと,北斜面がミツバツツジに彩られた山肌が美しい。 |
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獅子戸岳下山から韓国岳山頂までが,このコースの正念場である。 まず,獅子戸岳岩場下山コース・・・まっすぐ急降坂で木柵の残骸・ザレ場に少し手こずる。 しかし,ほどなく樹海に入り快適なハイキングコースとなる。 新芽・若葉の樹林の中,緩やかなアップダウンがしばらく続く。 韓国岳への登りとなると,登山道は狭くなり,流れでえぐられたり削られたりして,足元手元は不安定である。 下山する時は特にクマザサを掴まえさせてもらった。 最後は,砂防柵群のザレ場である。 前方の青い空が徐々に広くなり,山頂が近くなる。 がまんして一歩一歩登りやっと山頂となる。 今日は,数組のツアー客で賑わっている。 およそ5時間の登りとなった。 何回来ても素晴らしい展望・・・・・ 青空の近くでランチタイムとする。 |
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いよいよ下山。 「もう歩けない」 と,言った体も元に戻りおよそ4時間,途中で小休止しデジカメで写しながら下山し,今日は10時間近くの歩行となった。 「宮之浦岳は大丈夫かな?」 |
第1回連山縦走(往復)
霧島の縦走復路の韓国で越える峰指す霧晴れており
期 日 平成18年4月23日 (日) 晴れ 標 高 中岳−1,332m,新燃岳−1,421m,獅子戸岳1,429m,韓国岳−1,700m めあて 屋久島「しゃくなげ登山への体力診断 登山口 高千穂河原駐車場 時 間 高千穂河原駐車場−1時間10分−中岳−50分−新燃岳−50分− 獅子戸岳−2時間−韓国岳 下山 韓国岳−1時間40分−獅子戸岳−50分−新燃岳−40分−中岳−50分 −高千穂河原駐車場 鹿児島からのアクセス 鹿児島市−空港−丸尾−えびの高原 温 泉 神乃湯温泉
私達は5月末の<屋久島しゃくなげ登山>に参加することにしている。 およそ10時間の歩行だという。 果たして我々にそのような体力があるのだろうか。
昨年の秋,九重の大船山登山で,約8時間歩行はしたことがある。
今回は,体力を確かめるために霧島縦走の往復縦走をすることにした。
今日は,晴れマークで風も強くないとの天気予報である。
高千穂河原の朝の駐車場は,名古屋ナンバーの車が一台と奥の方にもう一台が既に駐車していた。
名峰霧島は遠くの登山者も呼び込む魅力を持っているのである。
後着の女性が,
「今日は霧があるので,中岳方面か,高千穂峰か,まだ迷っている」
との事だった。
今日も登山者が多いだろうなあ。
我々は,高千穂河原−中岳−新燃岳−獅子戸岳−韓国岳−獅子戸岳−新燃岳−中岳−高千穂河原のコースである。
<7:30>
いつもより水分を多く準備して出発。
空は,濃くないが雲で覆われ霧も深い。 そのうち晴れるはずである。
昨日の雨に洗われ,今朝の霧で潤ったみずみずしい樹木の中,石畳や木の階段等整備された中岳登山道を進む。
最初から体力を配分して使うようにゆっくり進んだ。
山頂直下からの岩場も湿っている。 ほとんど休むことなく山頂に到着である。
<8:40−中岳山頂>
「今朝は一番かな?二番かな?」
良く見ると,ぬかるみの地面に今日の足跡らしいものが見られた。 雲も霧も晴れない。 しかし,雨の心配をするほどでなく,それどころか清々しい涼気が疲れもとってくれるようだ。 残念なことは,展望がきかないという事のみ。
中岳から新燃岳へのルートは,草地とミヤマキリシマ群生の火口淵歩きと,緩やかな曲線を描いて伸びた木の階段の歩きである。
大いなる霧島の山ふところでゆりかごに揺られているような小さな小さな我々である。
<9:30−新燃岳山頂>
新燃岳山頂でもまだ霧の中である。前方の獅子戸岳も見えない。
<火山活動のため,火口に近づかないように>との注意がある。 でも,やはり火口湖の宝石は見たい。
エメラルドグリーンの火口湖水は今日も美しい。 火口の内側周辺の斜面を見ると,あちこちで白い煙を上げている。 新燃岳の火口がこんなに煙が出ているのははじめてみた。
獅子戸岳へ向かう火口淵の登山道は,風下に当たるため硫黄の強い臭いがし,薄気味悪さを感じた。
獅子戸岳へ向かうミツバツツジの群生林に入り,臭いもおさまりほっとした。
生きている火山を体で感じ,自然の威厳を感じた時間であったが,このようなときの対応も今後は勉強しておきたい。
新燃岳と獅子戸岳の間のミツバツツジはまだまだつぼみは固い。 新湯温泉からのコース,大幡山へのコースの合流点から獅子戸岳への登りが始まる。
登りに入ると,やや急な直登で,山頂付近のガレ場では,階段を造ってあった木や丸太が流され,土砂やごろ石の中に残っている。 ミヤマキリシマなど低木で覆われた頭上の山頂を見上げながら,足元の注意して登ると獅子戸岳山頂である。
<10:20−獅子戸岳山頂>
山頂標識は,ちょっとした広場にあり,到着写真を写す。
まだ,霧は晴れない。 韓国岳から縦走してきた先着の登山者も記念写真を取っていた。
すれ違いに
「なかなか晴れないですね」
と,声をかけると人なつっこい人で,良く話をしてくれた。 横浜から来たのだという。
「霧島というだけ霧も多いですね。」
と,びっくりされていた。 遠くからの人々にはほんとに申し訳ない今日の天候である。
「ゆっくり歩かれてください。お昼ごろから晴れるそうですよ」
と,声をかけ,我々は韓国岳へ向かう。
まず,丸太の階段の残骸のある北側から韓国岳へ向けて一旦鞍部まで下る。
それからは,樹林の中の平坦地歩きが1時間ほど続く。 ミヤマキリシマの群生,ミズキ,ガクアジサイに似たオオカメノキ,シロモジ・・・・。
落葉樹が多く,霧の中でやっと花が見えるが,この霧のおかげで,奥深い森の樹林の中にいるような,大きな自然の中の霧に溶けそうな小さな我々である。
道標をいくつか過ぎていよいよ韓国岳へののぼりが始まると,非常に厳しい状態である。 雨でえぐられた乾いた沢沿いが粘土質でヌルヌル,ツルツル。 細くて急で段差が高く足が上がらず,・・・・・スズダケや木の枝木の根等のおかげでそれほどすべることもない。
多くの登山者が,エイ!ヤッ!と高い段差をあがるためにつかまった木の根,木の枝,木の幹,ゆらゆらしているところも多い。
何とか時間をかけ,注意力を集中し,力を貸し合って登り続ける。
文字通り夫婦が,フーフー。 体力はまだ残っているかな? まだまだ登りは残っている。
韓国岳から一組の夫婦登山者が降りてくる。 思わず
「山頂まで,まだ,かかりますか?フーフーハーハーッ」
時計を見てなにかおしゃったが・・・・。 フーフーが体で吐くハーハー息になっていた。 私達には聞き取れず。
軽装で来ており,まだ,陽射しもないので,暑さによる体力の消耗はない。 その分,余力があったのかもしれない。
一踏ん張りすると,砂防柵が目に入った。
「来たー,見えたー」
この木の砂防柵は山頂まで何段も作られているのである。 山頂は,まもなくである。 喜びでわずかな力がわいてきた。 徐々に山頂の岩山肌が見え登山者が見え始めた。 少し,雲と霧が動き始め,青空が見え始めている一角もある。
<韓国岳−12:00>
ちょうど12時。 今日は日曜日。 子供達を含む家族連れ,団体ツアー客,外国語を話す登山客,多くの人々がお昼をとっていた。
山頂標識の付近は,登頂記念撮影の列である。 私共も順番を待って,ザックとステックを置いてパチリ。
大浪の池のほうを向いて席を取り,ランチタイムとする。
1時の下山出発まで,珍しく雲海も広がっている大パノラマを楽しむ。 徐々に晴れやっと大波の池の火口湖コバルトブルーの色が見え始めた頃下山開始とした。
下山時は徐々に晴れ,韓国岳を下りて獅子戸岳との鞍部に入る頃にはすっかり青空となった。
山肌には,シロモジの黄色の花が青空に映え美しい。
意外だったのは,獅子戸岳の登り,新燃岳の登り,中岳の登りが苦にならないことである。
5時間の歩行時間の後の登りは
「出来るかなー」
と,いう不安がうそのようだ。 体がすっかり登山モードになっているのだろうか。
晴れた陽射しが明るく温かい。 そのせいか,復路は,足元の花まで映えている。
ショウジョウバカマ,ツルキジムシロ,ハルリンドウ・・・・・,隠れていた高千穂峰もその品格ある全容を見せて迎えてくれる。
この往復縦走登山も何とか無事に終わる頃,中岳山頂のベンチで休んでいる夫婦登山者に出会った。
この方々は,私共が韓国岳山頂付近を登り中,苦しかった時下山されてきた御夫婦である。
「韓国岳に登って帰ってきたんですか」
と,聞かれる。
「そうなんです。 今日は,そのつもりで早く出てきたんですよ。」
と,いうと
「韓国岳付近ではきつそうにされていたのに・・・・強いですね。」
と,おっしゃる。 そのとうり! 苦しくて足は痙攣しそうだった!
「私共も,不安だったのですが,体が登山モードになって,慣れていったのか,案外楽でしたよ。」
<ある一線まで頑張ると,後は楽である>ともよく言われることであるが,そのことだろうと,話すことだった。
今日のことが,屋久島の宮之浦登山に通じてくれればありがたい。 少しは不安はなくなったのである。
<高千穂河原着−17:00>
5台ほどの車が駐車しており,下山した登山者も見える。
5・6人の人だかりがあったが,ちょっとしたけが人が出たそうである。 高千穂峰山頂の山小屋の方が,
「山をなめたらだめだ。」
と,話しておられるのが聞こえた。 私共にも,戒めとして聞こえた。
駐車している車の1台は,私達の友人夫婦の車であった。 この御夫婦は,夏に富士登山を目指して,トレーニングを積んでいるところである。
偶然の出会いに,今日の喜びは倍になった。
帰りはすっかりお馴染みの温泉<神の湯>でゆっくりした。